大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1227 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負とする。

理 由

上告代理人弁護士真田幸雄の上告理由第一点について。

所論の点に関する原判示の措辞は明確を欠くきらいがないでもないが、原判文を

熟読して考量すれば判示のように窺知できないこともないと認められる。すなわち、

原判決によれば、本件a番のb、cの土地はもと判示da番山林二町五反五畝一二

歩でD、Eの両名の共有に属していたところ、同人らは明治三七年七月二八日これ

を本件a番のbとa番のcに分筆登記したが、a番のcはこれを引続き自分らの共

有のままとし、a番のbはこれをFに譲渡したというのであるから、以上の事情か

らすれば判示のような窺知できるという認定も肯き得ないこともないのである。な

お、上告人は右両者の間に共有持分の範囲について予て争があり、所論にいわゆる

論地となつており、そのいきさつからa番のb山林はDの取り分とし、同人は即日

これを前記Fに売渡し、a番のc山林はEの取り分として実質上共有分割を行つた

ものである旨本論旨において主張するが(この主張事実は原判決の毫も認定してい

ないところである)、このような主張こそは原審が窺知できる云々とした判断に対

し本件証拠関係と照し合せて一つの有力な支柱とさえなるものと考えられる。され

ば原判決には証拠に基づかないで事実を認定し且つまた山林分筆の場合の常理に反

して事実認定を行つたものとは云えず、所論は採用し難い。

同第二点について。

しかし、所論原判示のような認定をするに当つてまず所論の点を調査認定しなけ

ればならない筋合が当然にあるものとも考えられない。ひつきようするに所論は、

原審の専権に属する証拠の取捨判断並びにこれに基いてなされた自由な事実認定に

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対し以何にも所論の違法あるが如く非難攻撃するだけのものであつて、採用に由な

い。

同第三点について。

所論も所詮原審の専権の範囲内にある証拠の取捨選択、事実認定への非難に外な

らないものであつて、これまた採るに由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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